吾輩は恥部である(1)
吾輩は恥部である。名前は言え無い。
どう育ったらこんな愚物になるのか、とんと見当がつかぬ。いつも薄暗いじめじめした掲示板にワーワー書き込んでいた事だけは記憶している。
吾輩はここで、始めて東大生というものを見た。後で聞くまでもなく、それは大学生の中で一番優秀な種族という話である。吾輩はほくそ笑んだ。これで吾輩の生活も安泰かもしれぬ。
吾輩は二人が揃えてくれたテーブルの前に座り、これからどうしたらよかろうと考えてみた。しばらく泣いていたら二人が養ってくれるかと考えついた。ワーワーと試みにやってみたが、見向きもされない。
吾輩が泣き続けていると、折角あいべや暮らしを始めたのだから泣いてばかりいないで何かやってみたらどうだと東大生の片割れが言う。
(続かない)